ハードウェア試作の記録
2026年4月2日のホワイトボードから、ポール、ドラム、サーボ、4系統のマウントまで。試作の様子を写真で記録したもの。
ホワイトボード
最初の試作
試作
立てる
試作
組み込む
作り直す
拡張
ホワイトボードの前で
この機構が最初にかたちを持ったのは、金属の見た目ではなく、赤いマーカーの線としてだった。ホワイトボードには「制御の視点」「整合性」というメモの隣に、agency(主体感)、ownership(身体所有感)、body-schema(身体図式)、haptics(触覚)といった言葉が並び、それらを線でつなぎ合わせた図が残っている。「動かす自分」と「動かされる自分」を同じ体の中に同居させる、という後にMetaPuppetの核になる発想は、この時点ではまだ、丸で囲んだ単語同士の関係でしかなかった。
この記録は、その落書きが実際に人の腕を動かす機構になるまでを、写真だけで辿ったものである。技術的な詳細(通信プロトコルやPD制御の中身)は他の記事に譲り、ここでは機構そのものの見た目がどう変わっていったかだけを追う。
まずはカメラから
最初に手を動かしたのは、腕を動かす機構ではなく、カメラだった。Raspberry Pi用のカメラモジュールを2台、三脚のヘッドに並べて留めただけの、ステレオカメラの最初の試作。まだ専用の基板もケースもなく、リボンケーブルが剥き出しのままぶら下がっている。
その後、Raspberry Pi本体に直結した状態を机の上で確認している。
ポールの試作
カメラと並行して、腕を持ち上げる側の機構も試作が始まる。緑色の3Dプリント部品2つで2本のポールを橋渡しし、先端に丸いキャップを取り付けただけの、ごく素朴な試作から始まった。
フレームを立てる
ポールを寝かせて確かめていた試作は、やがて床から立ち上がる。棚を利用して2本のポールを垂直に立て、上部をクロスバーで結んだ状態がこの写真である。クロスバーには緑色の3Dプリントマウントが2つ取り付けられ、黄色い紐がテスト用にぶら下がっているが、まだサーボは載っていない。
サーボの前に、糸巻きだけを試す
サーボを組み込む前に、まず糸を巻き取る仕組みそのものを別のポールの組で試している。緑色のマウントの中に、糸が巻かれた小さな軸が収まっているのが見える。この時点ではまだモーターは接続されていない。
サーボとドラム
糸巻きの検証と並行して、実際に使うサーボとドラムの実物合わせが行われている。サーボはFeetechのSTS3215(7.4V、ギア比1:191)。その出力軸に、青色で3Dプリントしたドラムを仮組みした写真がこれで、ドラムの側面にはケーブルを整列させるための螺旋状の溝が切られ、端面には配線や軸を通すための穴が並んでいる。
マウントを一度作り直す
サーボとドラムが組み上がったところで、フレーム側のマウントも更新される。Raspberry Piにはヒートシンクとファンの付いた冷却ケースが加わり、青色のマウントに固定された。クロスバー側の緑色のマウントには、内部に黄色いケーブルを通す穴が開けられている。
設計の比較 — 緑から灰色へ
最初の緑色のマウント(左)は、サーボを収める場所こそあったものの、ドラムも小さかった。作り直した灰色のマウント(右)では、サーボがしっかりと収まる形状になり、反対側の軸をボールベアリングで支える構造が追加されている。手前に置かれた2つのドラムを比べても、右側の白いドラムのほうが一回り大きい。
2系統から4系統へ
ここまでの試作はすべて、2系統のサーボ(ID 5・6)を前提にしていた。現在の機構は、A・B・C・Dの4系統に拡張されている。4本のポールにそれぞれ独立したマウントが取り付けられ、色分けされた文字で見分けられるようになっている。
この先の通信プロトコルやPD制御の詳細は、ハードウェアと制御の実装記録のほうにまとめている。
